2008-12-17 [Wed]
自殺癖のある男だった。背が高くて細くて色が白くて何所か影のある、所謂薄幸の美青年であるその男は繁華街の外れに仰々しく佇む高級マンションに暮らしていて、気が向いた時に尋ねてみれば首を吊っていたり手首を切っていたり睡眠薬のオーバードーズなんていつもの事で、果ては一時期話題になったナントカ水素を発生させてみたりと何ともまあお騒がせな奴だった。
しかも何故だかこちらが尋ねるタイミングを見計らったかのように自殺行為をしてみせる。一種の歓迎のつもりなのだろうか。
一度いつも持ち歩いているはずの合鍵が見つからず入るのに手間取った事があったのだがその時は酷かった。数分かけて鞄の底から発見したはいいが、上がりこんでみれば何待たせてるんですかと言わんばかりに湯船が真っ赤に染まっていた。もう何十回と付き合っているが病院沙汰になったのはあれっきりだ。
さすがにもう死んだと思ってやっと解放されると安堵したのにしぶとく生き残りやがって、しかも目覚めて早々へらへら笑いながら死ぬかと思いましたなんて言うもんだから思わず鼻っ柱をへし折ってしまった。もう何十回と喧嘩もしているが警察沙汰になりそうだったのはあれっきりだ。
そして今日もまた男は自殺に興じる。いつものようにチャイムも鳴らさず勝手に部屋に上がりこむと、リビングの端っこで程よい高さの台に乗り、天井から吊るされたロープで結われた輪の中に首をかける瞬間の男と遭遇した。
眼が合った。
「……後は台を蹴れば完成?」
「まあそんなとこです。蹴ります?」
「いや遠慮しとく。それより喉渇いたんだけど」
「コーヒーならありますよ」
「ミルクとあと砂糖も頼むわ」
すんなりと台から降りてくれたので、コーヒーを用意してくれている間にロープを解いて台を片付ける。簡単に心変わりするくらいならいっその事そのままどちらかに傾いて欲しい。
「どうぞ」
出て来たのは有り触れたインスタントコーヒーだった。やたら高価そうなカップとソーサーとは妙なバランスを保っている。男の淹れる物は実家で父親がこだわっていた物より若干薄くてミルクが多い。適当に座り込んで熱いそれに口を付けながら男の様子をちらりと窺ったが特にこれといって変わりはない。強いて言うなら手首の傷が少し増えたくらいだ。よく見ると男のシャツの胸ポケットから切れ味鋭い剃刀が顔を覗かせていた。
「もう少しで死ねたんですけどねぇ」
「助けなきゃそれはそれで怒るだろ」
「どうでしょうね」
すまし顔でコーヒーに口を付ける。コーヒーに何か仕込まれているのではないかという考えが一瞬だけ脳裏を過ぎったがそれはありえないだろう。一瞬で死ねるような、例えば青酸カリのような劇薬など使うわけがない。基本的に臆病なのだ、この男は。その証拠に未だすましたままコーヒーを啜り続けている。いっその事カフェインの過剰摂取で死ねばいいのに。
「ていうか他にバリエーションは無いわけ」
「じゃあ紅茶でも買っときますよ」
「だったらアールグレイがいいんだけどそういう事ではなくて」
「ああ、そりゃ放火して焼死とかでもいいんですけど、ちょっとリスクが高いし第一他人様に迷惑かけるじゃないですか」
硫化水素は迷惑の域に分類されないようだ。この男の頭の中では他人様よりも自分の方が優先されるのは間違いない。
「そんなに死にたきゃ静かな所で死ねばいいだろ」
「だからこうやって静かな所でひっそり死のうとしてるじゃないですかぁ。邪魔してるのは君でしょ?」
繁華街の喧騒に塗れた誰もが羨む高級マンションの一室というのは、一般的にひっそりとした場所として認識されていると考えていいものなのだろうか。空になったカップの底に溜まった砂糖の欠片を見つめながら考えていた。
「第一発見者になってやろうと思って」
立ち上がった男にカップを手渡すと、そのままキッチンへと向かっていった。かちゃかちゃと陶器の触れ合う音とそれを操る男の後ろ姿をぼんやりと見つめながら無機質なフローリングに転がった。
「要りませんよそんなもの」
男にこんな暮らしをさせておいて顔すら見せないようなパトロンが何をしているのかはちっとも知らない。少なくとも顔を見たことはないし、会っている様子もない。初めは寂しいのだろうと思っていたのだが徐々に違うような気がして来た。男が求めている物は金とか愛とかそういう範疇を遥かに超越しているのだ。
「なおの事樹海でも行けよ、コンパス持って」
「面倒じゃないですか」
自殺未遂を繰り返すよりはよっぽどマシな気もするのだが。気付けばまたロープを取り出して天井から吊るそうとしているではないか。さすがに眼の前で一から自殺行為を見せられるのは気分が悪い。垂れ下がった先に小さな輪が出来上がった辺りで止めようと身体を起こすと、男はまるでおもちゃを見つけた小さな子供のような顔をこちらに向けて来た。
「練習させてくださいな」
「練習?」
「そ、練習。今のままじゃ死に切れないって事がよく解ったんです。だから練習させてください」
アナタの首で。そう簡単に言ってのける男は心底楽しそうだった。もう何十回とこの部屋を訪れているが、帰れないなんて思ったのはきっとこれっきりになるだろう。
まるで男の魔の手に落ちたかのように身体はぴくりとも動かない。抵抗も反論も許されないままゆっくりと首に輪がかけられる。男の手は美しかった。あらためて間近で見ると、瞳も、鼻も、肌理細やかな肌もそのバランスの全てが美しいのだ。形の良い唇が優しく別れの言葉を囁く。今度こそ本当に彼の自殺癖から解放されるのかと安堵した瞬間ロープが強く引かれた。
自身を含めた殺人癖のある男だった。
しかも何故だかこちらが尋ねるタイミングを見計らったかのように自殺行為をしてみせる。一種の歓迎のつもりなのだろうか。
一度いつも持ち歩いているはずの合鍵が見つからず入るのに手間取った事があったのだがその時は酷かった。数分かけて鞄の底から発見したはいいが、上がりこんでみれば何待たせてるんですかと言わんばかりに湯船が真っ赤に染まっていた。もう何十回と付き合っているが病院沙汰になったのはあれっきりだ。
さすがにもう死んだと思ってやっと解放されると安堵したのにしぶとく生き残りやがって、しかも目覚めて早々へらへら笑いながら死ぬかと思いましたなんて言うもんだから思わず鼻っ柱をへし折ってしまった。もう何十回と喧嘩もしているが警察沙汰になりそうだったのはあれっきりだ。
そして今日もまた男は自殺に興じる。いつものようにチャイムも鳴らさず勝手に部屋に上がりこむと、リビングの端っこで程よい高さの台に乗り、天井から吊るされたロープで結われた輪の中に首をかける瞬間の男と遭遇した。
眼が合った。
「……後は台を蹴れば完成?」
「まあそんなとこです。蹴ります?」
「いや遠慮しとく。それより喉渇いたんだけど」
「コーヒーならありますよ」
「ミルクとあと砂糖も頼むわ」
すんなりと台から降りてくれたので、コーヒーを用意してくれている間にロープを解いて台を片付ける。簡単に心変わりするくらいならいっその事そのままどちらかに傾いて欲しい。
「どうぞ」
出て来たのは有り触れたインスタントコーヒーだった。やたら高価そうなカップとソーサーとは妙なバランスを保っている。男の淹れる物は実家で父親がこだわっていた物より若干薄くてミルクが多い。適当に座り込んで熱いそれに口を付けながら男の様子をちらりと窺ったが特にこれといって変わりはない。強いて言うなら手首の傷が少し増えたくらいだ。よく見ると男のシャツの胸ポケットから切れ味鋭い剃刀が顔を覗かせていた。
「もう少しで死ねたんですけどねぇ」
「助けなきゃそれはそれで怒るだろ」
「どうでしょうね」
すまし顔でコーヒーに口を付ける。コーヒーに何か仕込まれているのではないかという考えが一瞬だけ脳裏を過ぎったがそれはありえないだろう。一瞬で死ねるような、例えば青酸カリのような劇薬など使うわけがない。基本的に臆病なのだ、この男は。その証拠に未だすましたままコーヒーを啜り続けている。いっその事カフェインの過剰摂取で死ねばいいのに。
「ていうか他にバリエーションは無いわけ」
「じゃあ紅茶でも買っときますよ」
「だったらアールグレイがいいんだけどそういう事ではなくて」
「ああ、そりゃ放火して焼死とかでもいいんですけど、ちょっとリスクが高いし第一他人様に迷惑かけるじゃないですか」
硫化水素は迷惑の域に分類されないようだ。この男の頭の中では他人様よりも自分の方が優先されるのは間違いない。
「そんなに死にたきゃ静かな所で死ねばいいだろ」
「だからこうやって静かな所でひっそり死のうとしてるじゃないですかぁ。邪魔してるのは君でしょ?」
繁華街の喧騒に塗れた誰もが羨む高級マンションの一室というのは、一般的にひっそりとした場所として認識されていると考えていいものなのだろうか。空になったカップの底に溜まった砂糖の欠片を見つめながら考えていた。
「第一発見者になってやろうと思って」
立ち上がった男にカップを手渡すと、そのままキッチンへと向かっていった。かちゃかちゃと陶器の触れ合う音とそれを操る男の後ろ姿をぼんやりと見つめながら無機質なフローリングに転がった。
「要りませんよそんなもの」
男にこんな暮らしをさせておいて顔すら見せないようなパトロンが何をしているのかはちっとも知らない。少なくとも顔を見たことはないし、会っている様子もない。初めは寂しいのだろうと思っていたのだが徐々に違うような気がして来た。男が求めている物は金とか愛とかそういう範疇を遥かに超越しているのだ。
「なおの事樹海でも行けよ、コンパス持って」
「面倒じゃないですか」
自殺未遂を繰り返すよりはよっぽどマシな気もするのだが。気付けばまたロープを取り出して天井から吊るそうとしているではないか。さすがに眼の前で一から自殺行為を見せられるのは気分が悪い。垂れ下がった先に小さな輪が出来上がった辺りで止めようと身体を起こすと、男はまるでおもちゃを見つけた小さな子供のような顔をこちらに向けて来た。
「練習させてくださいな」
「練習?」
「そ、練習。今のままじゃ死に切れないって事がよく解ったんです。だから練習させてください」
アナタの首で。そう簡単に言ってのける男は心底楽しそうだった。もう何十回とこの部屋を訪れているが、帰れないなんて思ったのはきっとこれっきりになるだろう。
まるで男の魔の手に落ちたかのように身体はぴくりとも動かない。抵抗も反論も許されないままゆっくりと首に輪がかけられる。男の手は美しかった。あらためて間近で見ると、瞳も、鼻も、肌理細やかな肌もそのバランスの全てが美しいのだ。形の良い唇が優しく別れの言葉を囁く。今度こそ本当に彼の自殺癖から解放されるのかと安堵した瞬間ロープが強く引かれた。
自身を含めた殺人癖のある男だった。
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2008-12-16 [Tue]
かちゃん、と耳元で異様な硬質音が鳴り響く。ぴっとりと耳に貼り付く恐怖を伴った冷たさに顔を背けると、後ろにぼんやりと佇む男がにやりと笑った。
「あれ? 怖いの?」
男はくすくすと笑いながらふう、といやらしく耳に息を吹きかける。いつもなら気色が悪いと一蹴するそれは、強引に感覚を奪われた今では生温くて心地良い物だった。無意識に逃げようと僅かに身を捩らせると、腰の後ろに回された両手が何かに引っぱられてぎしりと音を立てた。
縛られている。そう気付くまでは一瞬あれば充分だった。
「流石にね、そのままかちゃん、ていうのは可哀相かなって思ったんです」
痛いのは嫌いでしょう? 椅子に乗せられて身動きが出来ないこの身体卑猥な手付きで撫で回していく。髪を、口唇を、首筋を、胸を、男にしか触られた事のない様な場所から爪先まで残さぬように丁寧に。男は程良く冷えた耳に喰らい付くとそっと何かを囁いた。僅かな感覚も残らない其処から異様なまでに敏感に冴えた身体の奥まで、悪意とも善意とも取れない何かが侵入してくるのを感じて思わず睨み返すと、男は機嫌を損ねた子供の様に口を尖らせて頬に優しく一つ、キスを落とした。
「馬鹿な子」
男は静かに呟くと、それまで左耳に掲げていた硬質のそれで感覚の研ぎ澄まされた右耳を強く挟んだ。ぐっと反射的に身体を強ばらせると次の瞬間、がちゃんと派手な音を立てると同時に鋭い痛みが全身を襲った。
気に狂いそうな痛みに悶えて椅子ごと床に倒れ込んだ。がたんと部屋中に響き渡る音が何処か他人事の様に聞こえる。冷たい床の向こうに、組み敷かれたあの時によく似た快感を見付けて思わず笑ってしまった。
片目だけで見上げた男の顔は逆光の所為で表情までは判別出来なかったが、確かに同じ口元をしていたと思う。男は手を伸ばして来るが今この状態ではその手を握り返す事など出来ず、虚空を切る様に僅かに動かされた指先がやたら綺麗だった。ふと指先を自らに向けて見つめると、ふう、と小さく息を吐いて、目の前に座り込んだ。
「ねぇ一護さん、次は何処にしよっか? 左耳? 舌もありですよ、少しづつ広げて蛇みたいな舌にしてあげる。昔そういう小説流行りましたよね。それともアタシにしか見せない様な場所に空けちゃいます?」
くすくす、男は楽しそうに笑った。よく見たらちらりと口元から覗く赤い舌先が二つに割れているような気がした。
「アタシと全部、お揃いにしちゃいましょ?」
二つに割れた舌を持つ者同士のキスはどんな快楽をもたらすだろう。四枚の舌がぺちゃぺちゃ、くちゃくちゃ。艶めかしい水音を立てながら二倍の快楽に身を委ねる、想像しただけでも心の底から震えてしまいそうだ。
「イケナイ子ですね、本当に」
男はゆっくりと蛇の舌で頬を舐めてくる。まるで欲望の全てを喰らい尽くして行くようなねっとりとした動きだった。既に感覚を取り戻していた左耳を指先でゆっくりと撫でると、再び冷たいそれで挟み込まれて、嗚呼。
狂った快楽の扉を開けてしまった。
「あれ? 怖いの?」
男はくすくすと笑いながらふう、といやらしく耳に息を吹きかける。いつもなら気色が悪いと一蹴するそれは、強引に感覚を奪われた今では生温くて心地良い物だった。無意識に逃げようと僅かに身を捩らせると、腰の後ろに回された両手が何かに引っぱられてぎしりと音を立てた。
縛られている。そう気付くまでは一瞬あれば充分だった。
「流石にね、そのままかちゃん、ていうのは可哀相かなって思ったんです」
痛いのは嫌いでしょう? 椅子に乗せられて身動きが出来ないこの身体卑猥な手付きで撫で回していく。髪を、口唇を、首筋を、胸を、男にしか触られた事のない様な場所から爪先まで残さぬように丁寧に。男は程良く冷えた耳に喰らい付くとそっと何かを囁いた。僅かな感覚も残らない其処から異様なまでに敏感に冴えた身体の奥まで、悪意とも善意とも取れない何かが侵入してくるのを感じて思わず睨み返すと、男は機嫌を損ねた子供の様に口を尖らせて頬に優しく一つ、キスを落とした。
「馬鹿な子」
男は静かに呟くと、それまで左耳に掲げていた硬質のそれで感覚の研ぎ澄まされた右耳を強く挟んだ。ぐっと反射的に身体を強ばらせると次の瞬間、がちゃんと派手な音を立てると同時に鋭い痛みが全身を襲った。
気に狂いそうな痛みに悶えて椅子ごと床に倒れ込んだ。がたんと部屋中に響き渡る音が何処か他人事の様に聞こえる。冷たい床の向こうに、組み敷かれたあの時によく似た快感を見付けて思わず笑ってしまった。
片目だけで見上げた男の顔は逆光の所為で表情までは判別出来なかったが、確かに同じ口元をしていたと思う。男は手を伸ばして来るが今この状態ではその手を握り返す事など出来ず、虚空を切る様に僅かに動かされた指先がやたら綺麗だった。ふと指先を自らに向けて見つめると、ふう、と小さく息を吐いて、目の前に座り込んだ。
「ねぇ一護さん、次は何処にしよっか? 左耳? 舌もありですよ、少しづつ広げて蛇みたいな舌にしてあげる。昔そういう小説流行りましたよね。それともアタシにしか見せない様な場所に空けちゃいます?」
くすくす、男は楽しそうに笑った。よく見たらちらりと口元から覗く赤い舌先が二つに割れているような気がした。
「アタシと全部、お揃いにしちゃいましょ?」
二つに割れた舌を持つ者同士のキスはどんな快楽をもたらすだろう。四枚の舌がぺちゃぺちゃ、くちゃくちゃ。艶めかしい水音を立てながら二倍の快楽に身を委ねる、想像しただけでも心の底から震えてしまいそうだ。
「イケナイ子ですね、本当に」
男はゆっくりと蛇の舌で頬を舐めてくる。まるで欲望の全てを喰らい尽くして行くようなねっとりとした動きだった。既に感覚を取り戻していた左耳を指先でゆっくりと撫でると、再び冷たいそれで挟み込まれて、嗚呼。
狂った快楽の扉を開けてしまった。
2008-12-13 [Sat]
一浦もいいなーとか、
京七もちらっと書いてみたいなーとか
ひそかに京浮が好きなんだよなーとか
剣やち可愛いなーとか
ネルちゃん書きたいなーとか
チャドとだったら一護か石田かかりんかホンキで考えてみたり
藍浦もいいが平浦も好きだったり
こっそり白ルキが気になったり
修兵先生は誰と絡ませればいいのだろうとか
新旧八番隊副体調でほのぼのさせてみたかったり
チルッチとザエルアポロをどうにかして書けないものかと
まあとりあえず浦一ですね
ちなみにうちのサイトでは十番隊はほとんど取り扱いなしです。
修兵先生と乱菊さんが絡むような話をもしかしたら書くかもだけどそのくらいです。
京七もちらっと書いてみたいなーとか
ひそかに京浮が好きなんだよなーとか
剣やち可愛いなーとか
ネルちゃん書きたいなーとか
チャドとだったら一護か石田かかりんかホンキで考えてみたり
藍浦もいいが平浦も好きだったり
こっそり白ルキが気になったり
修兵先生は誰と絡ませればいいのだろうとか
新旧八番隊副体調でほのぼのさせてみたかったり
チルッチとザエルアポロをどうにかして書けないものかと
まあとりあえず浦一ですね
ちなみにうちのサイトでは十番隊はほとんど取り扱いなしです。
修兵先生と乱菊さんが絡むような話をもしかしたら書くかもだけどそのくらいです。
2008-12-12 [Fri]
布団を開けるとそこは、
「……コイツ」
布団をめくるといつもは黒猫が出迎えてくれるのだが、今日に限っては何だか良くワケの判らない大きなオマケが付いてきた。
金髪で肌が白くて無駄に綺麗なそれは、しなやかな黒猫を腕に抱いて丸まっていた。
「何やってんだよ」
「あ、一護サン、寒いんで早く入ってきて貰えますか?」
「取り敢えず温めてくれた事には礼を言う、どうも。ホラ、さっさと出てけ」
空気を読んで飛び退いてくれた黒猫を無視して、金髪の腕を引っぱると無抵抗だった所為か簡単にベッドからずり落ちた。
「いったたたた……」
「ホラ、さっさと立てよ」
腕を掴んで立ち上げると本人の意思なんてお構いなしにドアまで押して進む。空気をすごく読める黒猫は器用に引き戸をカリカリと小さな手で開けてくれた。
「じゃ、おやすみ」
「あ、ちょ、一護さん?」
「入ってくんなよ」
まだ何か浦原は言いたそうにしていたけど遠慮無く引き戸を閉めさせて貰った。コレで俺の安全は守られたはずだ。
どうせ、鍵なんて付いていないのだけど。
お主も素直ではないのとか何とか黒猫はぼやいていたけれどそれはそれで素直じゃないんだから仕方がない。どうせあの金髪はほとぼりが冷めた頃に図々しく布団まで入ってくるのだから。
「……コイツ」
布団をめくるといつもは黒猫が出迎えてくれるのだが、今日に限っては何だか良くワケの判らない大きなオマケが付いてきた。
金髪で肌が白くて無駄に綺麗なそれは、しなやかな黒猫を腕に抱いて丸まっていた。
「何やってんだよ」
「あ、一護サン、寒いんで早く入ってきて貰えますか?」
「取り敢えず温めてくれた事には礼を言う、どうも。ホラ、さっさと出てけ」
空気を読んで飛び退いてくれた黒猫を無視して、金髪の腕を引っぱると無抵抗だった所為か簡単にベッドからずり落ちた。
「いったたたた……」
「ホラ、さっさと立てよ」
腕を掴んで立ち上げると本人の意思なんてお構いなしにドアまで押して進む。空気をすごく読める黒猫は器用に引き戸をカリカリと小さな手で開けてくれた。
「じゃ、おやすみ」
「あ、ちょ、一護さん?」
「入ってくんなよ」
まだ何か浦原は言いたそうにしていたけど遠慮無く引き戸を閉めさせて貰った。コレで俺の安全は守られたはずだ。
どうせ、鍵なんて付いていないのだけど。
お主も素直ではないのとか何とか黒猫はぼやいていたけれどそれはそれで素直じゃないんだから仕方がない。どうせあの金髪はほとぼりが冷めた頃に図々しく布団まで入ってくるのだから。